ふみぃ~.何だか虚しい・・・
Infineonは世界中でも4社しかないARMのアーキテクチャライセンス保有企業の1つで,他の3つは先日の記事でお伝えしたMicrosoftとQualcomm,Intelが通信チップ事業とともにライセンスを売却したMarvellです.

そのInfineonとAppleの間には浅からぬ関係があって,iPadの分解記事でも紹介したように今やAppleの中核事業になった携帯の最も重要なパーツであるベースバンドチップを供給しています.

ZDNet Japanの記事にあるように,そのInfineonが近い将来Intelに買収されるのではないかという話があって,それに対してTechCrunch JAPANにはAppleがそれを黙ってみていて良いのか,という内容の記事が掲載されています.

詳しい話は元ネタで読んでいただいた方が分かりやすいと思いますが,なかなか興味深いことが書いてあります.

まず,ハンドセットはパッケージソリューションからなり,それは主としてアプリケーションプロセッサ(Appleの場合はA4プロセッサ)とネットワークチップ(3GやGPS,Wi-Fi,Bluetoothなど)で構成されるとし,これから再び始まろうとしている垂直統合の時代の先頭を走っているAppleが統合化のレベルが高度化していく中でネットワークチップを自社のコントロール下に置くことができないことが危険であると述べています.

逆にAppleがIntelの代わりにInfineonを買収した場合にはこの懸念がなくなりネットワークチップを思い通りに設計できるだけでなく,Infineonが保有しているARMのアーキテクチャライセンスによってARMベースのA4プロセッサの更なる最適化を行えるというシナジー効果が生まれるとも指摘しています.
以前ウワサされていたAppleがARMを買収するという話は馬鹿馬鹿しいと一蹴していて,50億ドル出してARMを買収するよりも20億ドルでInfineonを買収した方が理にかなっているし,同じようなチップベンダはいずれも規模が大きいためInfineonがIntelに買収されてしまったら二度とチャンスは来ないかもしれないそうです.

他にもアンテナ問題や今後サポートしていく可能性があるLTE/3GPPやNear Field Communication技術などにも学ぶことが多いとも書いてあります.

Appleがあまりにも急激に携帯市場で巨大になったために十分なノウハウを蓄積できなかったことがアンテナ問題が生じた一因になっている可能性は否定できませんし,今後もこの市場で圧倒的なプレゼンスを確保するためにはしかるべき投資を行う必要があるのかもしれません.
Date:2010/08/03(Tue) 06:36:54
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