D8におけるSteve Jobs氏のインタビューでシェアを競うのではなく最高の製品を作りたいという発言を,そうはいってもAppleにとってシェアも大事だと思いながら聞いていました.
実際にJobs氏自身も基調講演などでiPhoneのシェアについて触れることは良くあります.
ただ,ビジネスが利益を生み出すシステムの構築であるという側面から考えると,一般に良く見かける販売台数ベースのシェアではなくこういったものの方がその強さをより良く反映しているのではないかと思われるグラフをご紹介.

(From GigaOM)
これはDeutsche Bankのアナリストによるもので,携帯市場全体における年度別の利益を企業ごとに色分けしたものです.
2008年までNokiaの比率が極めて高いことからも分かるようにスマートフォンだけの集計ではありません.
AppleのiPhoneが高い利益率を確保しており利益ベースの割合で大きなパーセンテージを占めることは良く知られていて,2007年の市場参入以来急激な伸びを記録するとともに市場全体において確固たる存在感を示し,今年度と来年度の推測値でもさらに利益が増大すると予想されています.
それと,元ネタのタイトルにも名を連ねているRIMも比較的大きな利益を上げていて,これら2社に共通するのは独自のソフトウェアを持っていることです.
ハードウェアは利用できるコンポーネントも限られているため,ソフトウェアで差別化を図らない限りコモディティ化の強い圧力によってマージンが圧迫されると指摘されています.
実際にJobs氏自身も基調講演などでiPhoneのシェアについて触れることは良くあります.
ただ,ビジネスが利益を生み出すシステムの構築であるという側面から考えると,一般に良く見かける販売台数ベースのシェアではなくこういったものの方がその強さをより良く反映しているのではないかと思われるグラフをご紹介.

(From GigaOM)
これはDeutsche Bankのアナリストによるもので,携帯市場全体における年度別の利益を企業ごとに色分けしたものです.
2008年までNokiaの比率が極めて高いことからも分かるようにスマートフォンだけの集計ではありません.
AppleのiPhoneが高い利益率を確保しており利益ベースの割合で大きなパーセンテージを占めることは良く知られていて,2007年の市場参入以来急激な伸びを記録するとともに市場全体において確固たる存在感を示し,今年度と来年度の推測値でもさらに利益が増大すると予想されています.
それと,元ネタのタイトルにも名を連ねているRIMも比較的大きな利益を上げていて,これら2社に共通するのは独自のソフトウェアを持っていることです.
ハードウェアは利用できるコンポーネントも限られているため,ソフトウェアで差別化を図らない限りコモディティ化の強い圧力によってマージンが圧迫されると指摘されています.
Androidの勢いが増してきたという話は最近特に良く目にしますが,このグラフで近い将来頑張っていそうなのはSamsungだけでMotorolaにしてもSony Ericssonにしてもこの市場で上げることの出来る利益は非常に限られています.
このような差が生じる背景には,上で述べたAppleの垂直統合モデルやブランドイメージ,建前だけではない製品造りに対する熱意などが市場に好意的に受け入れられていることが大きく関与しているのではないかと思われます.
再来年にはAndroidがiPhoneを上回るという予想もされていますが,本当の意味でのiPhoneというビジネスの強さは上記の要因に支えられて利益率の高さを維持できることなのかもしれません.
そういった意味では,HPがPalmを買収して得たwebOSがどれだけ有効に活用されるのかにも興味がありますが,既にJobs氏の追放と並ぶほどの失策と指摘されていたりするCEO辞任が凶と出そうな気配もありますね.
また元ネタには,これからの携帯市場がローエンドとスマートフォンなどのハイエンドに二極化していき,Nexus Oneの失敗から分かるように製品として良いだけでなくキャリアの選択が重要になり,米国ではVerizonとAT&Tの2大キャリアが魅力的なハイエンドデバイスを獲得し続けるため独占が強まるといった予想も紹介されています.
いろんな意味で面白い記事なので時間があれば元ネタを読んでみられることをオススメします.
(via:GigaOM)
このような差が生じる背景には,上で述べたAppleの垂直統合モデルやブランドイメージ,建前だけではない製品造りに対する熱意などが市場に好意的に受け入れられていることが大きく関与しているのではないかと思われます.
再来年にはAndroidがiPhoneを上回るという予想もされていますが,本当の意味でのiPhoneというビジネスの強さは上記の要因に支えられて利益率の高さを維持できることなのかもしれません.
そういった意味では,HPがPalmを買収して得たwebOSがどれだけ有効に活用されるのかにも興味がありますが,既にJobs氏の追放と並ぶほどの失策と指摘されていたりするCEO辞任が凶と出そうな気配もありますね.
また元ネタには,これからの携帯市場がローエンドとスマートフォンなどのハイエンドに二極化していき,Nexus Oneの失敗から分かるように製品として良いだけでなくキャリアの選択が重要になり,米国ではVerizonとAT&Tの2大キャリアが魅力的なハイエンドデバイスを獲得し続けるため独占が強まるといった予想も紹介されています.
いろんな意味で面白い記事なので時間があれば元ネタを読んでみられることをオススメします.
(via:GigaOM)
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これも同時に読むと興味深いですよ。
http://www.businessinsider.com/you-cant-appreciate-how-completely-apple-has-humiliated-rim-nokia-and-the-rest-of-the-gadget-industry-until-you-see-these-charts-2010-7
統計の取り方で数字は変わりますが、上記はEBITベースです。
http://www.businessinsider.com/you-cant-appreciate-how-completely-apple-has-humiliated-rim-nokia-and-the-rest-of-the-gadget-industry-until-you-see-these-charts-2010-7
統計の取り方で数字は変わりますが、上記はEBITベースです。
isaacさん,ありがとうございます.
記事拝見しました.
以前,これは紹介させてもらっていて,その時の記憶と今回のグラフが異なるのが気になっていたのですが,EBIT(Earnings Before Interest and Taxes)っていうのがポイントなんですね.
せっかくなので調べてみました.
>経常利益に支払利息を加えて戻し、受取利息を差し引き求める。
>設立後、間もない企業の収益力を測るためによく利用される。
>利払い前の税引前当期利益のことである。
うーん,何となく分かったような分からないような・・・です.
でも,ちょっともやもやがスッキリしました.
ありがとうございます.
記事拝見しました.
以前,これは紹介させてもらっていて,その時の記憶と今回のグラフが異なるのが気になっていたのですが,EBIT(Earnings Before Interest and Taxes)っていうのがポイントなんですね.
せっかくなので調べてみました.
>経常利益に支払利息を加えて戻し、受取利息を差し引き求める。
>設立後、間もない企業の収益力を測るためによく利用される。
>利払い前の税引前当期利益のことである。
うーん,何となく分かったような分からないような・・・です.
でも,ちょっともやもやがスッキリしました.
ありがとうございます.
いつも参考にしております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
また遊びにきます。
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