前回の記事では,なぜIntel Coreっていう名前がついたかということについて書きましたが,まずは補足から.
前回述べたようにCPUブランドよりもプラットフォームを重視するという戦略自体は正しいのですが,「Cell」に対抗するためにつけたっていう方があり得そうな感じです3).
「Cell」っていうのはIBM,Sony,東芝が合同で作っていて,PlayStation 3に採用される予定のPowerPC系CPUです.
コアがスケーラブルに寄せ集まってCPUを形成することから名付けられています.
「Cell=細胞」に対して「Core=核」っていう意味なのでしょうけど,ホントは細胞の核は「Nucleus」だったりするわけで,ゴロがよいから「Core」なんですかねぇ.
まぁ,両方の言葉を比較することでお互いにインパクトは増しますよね.
んでもって,今日の本題は,Intel Coreっていうのにはどんなのがあって,何を基準に分けられるかってことについてです.
Intel CoreになるとPentiumの時のようにM(モバイル)とかD(デスクトップ)とかっていう文字はつかなくなって,消費電力で分けられるようになります1,5).
CPUのモデル名には下記のように消費電力で分けられたクラスの名前が付けられます.
クラスがなぜに重要かというと,これによってどんな筐体まで使用できるかがおおむね決定できるわけです.
つまり,モバイル向けまで可能とか,デスクトップのみとかってことですよね.
だけど,Intel自体は用途を規定しない方針のようで,ユニファイドアーキテクチャ(単一の設計)を目指しているみたいです.
IntelのCPUとPowerPCで消費電力の算出方法が同じなのかどうかは知らないのですが,これまでPowerBookやiBookに採用されてきたPowerPC G4の場合,消費電力は15~24W程度に収まっています.
だとすると,今のPowerBookの筐体にはLクラス以下じゃないと厳しいことになります.
もっとも,表に書いてあるのは上限クロックの時の消費電力であって,たとえTクラスのものでも下限クロック時にはLクラスと同等の消費電力に押さえることができますので4),放熱効果を上げればTクラスぐらいまでは載せることもできるかもしれませんけどね.
ちなみに,もう載ることがないであろうPowerPC 970の消費電力は1.8GHz時に42Wもあるのですが,PowerPC 970FXになると20W未満ですから,PowerBookに載せることも現実的には不可能ではないわけです.
また,ミニノートと呼ばれるものでは一般的に7Wをデッドラインに設計されていますが,頑張れば9Wぐらいまではいけるそうですので,“PowerBook mini”なんかが出るんだとしたら,UクラスのCPUが出るのを待たないといけません.
それと,消費電力とパフォーマンスには簡単な法則が成り立っていて,Tクラスを基準にするとLクラスは消費電力が約50%でパフォーマンスが約70%,Uクラスは消費電力が約25~30%でパフォーマンスが約50%になるらしいです2).
少しはMacの話もでてくるようになったのですが,長くなってしまうので続きはまた次回.
PowerPCと違って豊富なバリエーションを持つIntel CPUの場合,どの機種にどのCPUを採用するかを決めるには消費電力っていうのが結構重要だっていうのが今回のポイントですかね.
次回は,一番最初に登場するYonahについて書いてみようと思います.
例によって例のごとく,慣れない内容なので間違っている点があったらご指摘下さいね.
参考記事
1. 笠原一輝のユビキタス情報局:Intel、新デュアルコアのブランドネームを“INTEL CORE”と命名へ
2. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:Intelが新ブランド「Intel Core」と「Intel Centrino Duo」を1月に発表
3. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:「Cell」に対抗すべく名付けられた「Core」ブランド
4. 笠原一輝のユビキタス情報局:Intel、「Centrino Duo」を1月5日に発表へ
5. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:マイクロアーキテクチャの変化を反映する“Core”ブランディング
前回述べたようにCPUブランドよりもプラットフォームを重視するという戦略自体は正しいのですが,「Cell」に対抗するためにつけたっていう方があり得そうな感じです3).
「Cell」っていうのはIBM,Sony,東芝が合同で作っていて,PlayStation 3に採用される予定のPowerPC系CPUです.
コアがスケーラブルに寄せ集まってCPUを形成することから名付けられています.
「Cell=細胞」に対して「Core=核」っていう意味なのでしょうけど,ホントは細胞の核は「Nucleus」だったりするわけで,ゴロがよいから「Core」なんですかねぇ.
まぁ,両方の言葉を比較することでお互いにインパクトは増しますよね.
んでもって,今日の本題は,Intel Coreっていうのにはどんなのがあって,何を基準に分けられるかってことについてです.
Intel CoreになるとPentiumの時のようにM(モバイル)とかD(デスクトップ)とかっていう文字はつかなくなって,消費電力で分けられるようになります1,5).
CPUのモデル名には下記のように消費電力で分けられたクラスの名前が付けられます.
クラス | 消費電力 |
---|---|
E | 50W以上 |
T | 25~49W |
L | 15~24W |
U | 14W以下 |
クラスがなぜに重要かというと,これによってどんな筐体まで使用できるかがおおむね決定できるわけです.
つまり,モバイル向けまで可能とか,デスクトップのみとかってことですよね.
だけど,Intel自体は用途を規定しない方針のようで,ユニファイドアーキテクチャ(単一の設計)を目指しているみたいです.
IntelのCPUとPowerPCで消費電力の算出方法が同じなのかどうかは知らないのですが,これまでPowerBookやiBookに採用されてきたPowerPC G4の場合,消費電力は15~24W程度に収まっています.
だとすると,今のPowerBookの筐体にはLクラス以下じゃないと厳しいことになります.
もっとも,表に書いてあるのは上限クロックの時の消費電力であって,たとえTクラスのものでも下限クロック時にはLクラスと同等の消費電力に押さえることができますので4),放熱効果を上げればTクラスぐらいまでは載せることもできるかもしれませんけどね.
ちなみに,もう載ることがないであろうPowerPC 970の消費電力は1.8GHz時に42Wもあるのですが,PowerPC 970FXになると20W未満ですから,PowerBookに載せることも現実的には不可能ではないわけです.
また,ミニノートと呼ばれるものでは一般的に7Wをデッドラインに設計されていますが,頑張れば9Wぐらいまではいけるそうですので,“PowerBook mini”なんかが出るんだとしたら,UクラスのCPUが出るのを待たないといけません.
それと,消費電力とパフォーマンスには簡単な法則が成り立っていて,Tクラスを基準にするとLクラスは消費電力が約50%でパフォーマンスが約70%,Uクラスは消費電力が約25~30%でパフォーマンスが約50%になるらしいです2).
少しはMacの話もでてくるようになったのですが,長くなってしまうので続きはまた次回.
PowerPCと違って豊富なバリエーションを持つIntel CPUの場合,どの機種にどのCPUを採用するかを決めるには消費電力っていうのが結構重要だっていうのが今回のポイントですかね.
次回は,一番最初に登場するYonahについて書いてみようと思います.
例によって例のごとく,慣れない内容なので間違っている点があったらご指摘下さいね.
参考記事
1. 笠原一輝のユビキタス情報局:Intel、新デュアルコアのブランドネームを“INTEL CORE”と命名へ
2. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:Intelが新ブランド「Intel Core」と「Intel Centrino Duo」を1月に発表
3. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:「Cell」に対抗すべく名付けられた「Core」ブランド
4. 笠原一輝のユビキタス情報局:Intel、「Centrino Duo」を1月5日に発表へ
5. 後藤弘茂のWeekly海外ニュース:マイクロアーキテクチャの変化を反映する“Core”ブランディング
Posted Comment
種類がいっぱいあってすでにごちゃごちゃになっています。
「D」と「M」はわかりやすかったのに。
AppleがどのCPUを使ってくるのか楽しみですけど、
PowerBookとiBookをどう分けてくるのかに興味あります。
ノートを全部統一したりして・・・CPUだけで区別するとか。
「D」と「M」はわかりやすかったのに。
AppleがどのCPUを使ってくるのか楽しみですけど、
PowerBookとiBookをどう分けてくるのかに興味あります。
ノートを全部統一したりして・・・CPUだけで区別するとか。
ゴチャゴチャしててスミマセン.>あろさん
次回のYonahの話の方がもっといろいろ出てくるんですけど...
どうしましょう?
私自身もあんまり分かってないし...ってダメじゃん!
次回のYonahの話の方がもっといろいろ出てくるんですけど...
どうしましょう?
私自身もあんまり分かってないし...ってダメじゃん!
僕の書き方がまずかったみたいですね。
本当に申し訳ありません。
Double KOさんの記事はとてもわかりやすいのです。
といいますか、ここの記事を読んで初めて理解できているのですから。
参考記事をDouble KOさんが一度噛み砕いて、その上で言葉を選んで説明してくれるので、僕にとっては凄く有り難いのです。
元々Impressなどの関連記事を一生懸命読んでもなかなか理解できない事が多いので・・・
だから、Yonahの記事も楽しみにしています!
紛らわしい書き方でDouble KOさんに不愉快な思いをさせてしまい、本当にすいませんでした。
本当に申し訳ありません。
Double KOさんの記事はとてもわかりやすいのです。
といいますか、ここの記事を読んで初めて理解できているのですから。
参考記事をDouble KOさんが一度噛み砕いて、その上で言葉を選んで説明してくれるので、僕にとっては凄く有り難いのです。
元々Impressなどの関連記事を一生懸命読んでもなかなか理解できない事が多いので・・・
だから、Yonahの記事も楽しみにしています!
紛らわしい書き方でDouble KOさんに不愉快な思いをさせてしまい、本当にすいませんでした。
あろさん,私,全然不愉快になっていないので大丈夫ですよ.
一番の問題は,ホントに私自身も良く分かってないのです.
消費電力で分けたときにTクラスのものだと今までのPowerBookでは多すぎることになってしまうのですが,本当にPowerPCとIntel Coreで消費電力の計算の仕方が同じなのかどうかが最後まで分からなかったし,そこが間違ったままだったら次のYonahの話の時にまで影響しちゃうのでどうしようっかなって思案中なのです.
ちゃんと記事は書くでしょうし,間違ったら誰かが指摘してくれるんじゃないかと,今から他力本願だったりします.
でも,もうちょっと先になるかもしれませんけど...
これからも思ったままをコメントして頂けた方が嬉しいので,是非今のままでよろしくお願いします.m(_ _)m
一番の問題は,ホントに私自身も良く分かってないのです.
消費電力で分けたときにTクラスのものだと今までのPowerBookでは多すぎることになってしまうのですが,本当にPowerPCとIntel Coreで消費電力の計算の仕方が同じなのかどうかが最後まで分からなかったし,そこが間違ったままだったら次のYonahの話の時にまで影響しちゃうのでどうしようっかなって思案中なのです.
ちゃんと記事は書くでしょうし,間違ったら誰かが指摘してくれるんじゃないかと,今から他力本願だったりします.
でも,もうちょっと先になるかもしれませんけど...
これからも思ったままをコメントして頂けた方が嬉しいので,是非今のままでよろしくお願いします.m(_ _)m
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